2012年02月01日本新闻
近年、電子回路や無線技術の低消費電力化により、周囲の環境から電気エネルギーを得ることで、配線や電池交換なしで動作する、ワイヤレスセンサやリモコンスイッチといったエネルギーハーベスティング(環境発電)デバイスが注目されています。当社では、蛍光灯やLED照明といった屋内光での使用を想定した高効率のエネルギーハーベスティング用低照度色素増感太陽電池を開発しました。
色素増感太陽電池は印刷法で作製できることや、有害な材料を使わないことから、低コストで環境に優しい次世代型の太陽電池として期待されています。この太陽電池は光合成に似た特殊な発電原理により、拡散光や低照度の光でも高い効率で電力に変換できるため、日当たりの悪い壁面などに設置した場合でも効率よく発電できるといった性質を持っていますが、当社では独自の材料技術により、蛍光灯やLED照明などの屋内光、500luxのもとで18%という高い変換効率を達成しました(一般的な屋内用アモルファス太陽電池は11~12%)。
開発した色素増感太陽電池は一般的な屋内環境で高い出力が得られるばかりでなく、倉庫のような非常に暗い照明環境でも発電することができるため、これまで以上に広い範囲でエネルギーハーベスティングが利用可能になると期待されます。また発電部の形状を自由に変更し、お客様のデザインに合わせたモジュールを製作できますので、デバイスの広いエリアに太陽電池を使うといったことも可能になります。
今後、当社では以上のような低照度用色素増感太陽電池の特性を活かして、様々な場面で低照度用色素増感太陽電池モジュールをご利用いただけるよう、お客様の使用環境、デザインの要求に合わせた最適なモジュールの提案を行っていきます。

摘自: http://www.fujikura.co.jp/f-news/2035482_4018.html |